カタログやウェブサイトなどを見て通信販売でファッションを購入できるしくみは便利なものですが、届いた現物を見てみたところ、サイズが合わなかったり、絵柄が思っていたものと違ったりといったトラブルはしばしばあるものです。こうしたファッションの通販におけるクーリングオフが認められるかどうかですが、法律上は難しいということになっています。それというのも、ファッション通販の場合には、かならず消費者のほうからカタログなどを見て注文をするといったアクションを起こすことになっており、訪問販売ではありがちな、購入しようとする意思がないのに言葉巧みに誘導されて契約させられてしまったといったおそれがないからです。そのため、ファッションの通販でいったん契約をしてしまったものについては、自己都合によって勝手に契約を解除し、お金を払わずに返品するようなことは認められていません。

ただし、もしカタログやウェブサイトの中に返品についての取り決めが何も書かれていないような場合に限っては、法律のなかでは消費者が送料を負担する場合について、商品が到着してから8日以内であれば返品も可能だとしています。したがって、もしファッションの通信販売を利用しようとする場合には、あらかじめカタログやウェブサイトに返品についての記載事項がないかどうかをよく確認して、もし記載があればその内容に納得できるかどうかを判断した上で注文をするのがよいでしょう。